第2話 新世紀の幕開け・・・に、落ちる |
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忘れもしない2001年1月1日朝。そう21世紀の幕開けの日だ。 せっかくの節目の日、数日前から家族と共に九州入りして、世紀末の大晦日は某所でカウントダウン、盛大な花火に酔いしれていた。そして、元旦の朝から撮影開始、21世紀を占う大切な撮影の日だった。 かねてから目を付けていたカーブに向かう。田んぼの畦道を走って目的地に到着したが、陽のまわりが早くてちょっと撮影になりそうもなかった。「あと、2〜3時間したら来よう」と思い車をバックさせた時に事件は起きた。 がくんっ! んん!?脱輪か?まあ出られるだろう・・・・とアクセルを踏んだ瞬間・・・ ずるずるずる〜 後ろから引きずり込まれるように車は下がり、大きく傾いた。下の田んぼまでは1メートル以上、 「やばい!横転する!」 ホンキであせった。全力でブレーキを踏んでサイドを引いているうちに傾きはなんとか止まった。後で外から見てみると意外にたいしたことないのだが、車内では今にも倒れそうに感じている。助手席側が落ちているために、もしも脱出中に車が倒れたら・・・昔見たドラマのシーンが蘇るのである。 家族全員運転席から脱出。青ざめる子供らをなだめながら、落とした張本人としては、笑うしかないのだった。 |
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外から見ると、意外とたいしたことないから、不思議。けっこう怖かった。 犬のお散歩中の地元の方にお願いして、田んぼの持ち主にお詫びを伝えてもらいました・・・笑われましたけど・・・ |
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結局この日最初の仕事はJ○Fに救出依頼・・・・約1時間後・・・田んぼの畦道をとことこと走ってくるレッカー車。いやいや心強かった。車止めを使ってレッカー車を保持、ワイヤーを伸ばして・・・手際よく作業してくれる。重さ2トンを越える車もするすると上がってきた。さすがだ、ありがたい! ・・・しかし、今度はレッカー車がスタック。湿った足場で作業したために、脱出できなくなってしまった。 車から出てきたお兄さんが「今度はわたしばぁ助けてください」と、少々照れくさそう。 脱出したばかりの車を、レッカー車の後ろにつけて、ワイヤーを接続、ウインチの操作方法を習って、バックするのとタイミングを合わせて巻き取る。タイヤから煙をあげつつも、レッカー車はなんとか脱出。 お手伝いもしたことで、ちょっぴり作業代もまけてもらって一安心。それまで会員ではなかったので、これを機に入会した。もちろん入会日には「2001年1月1日」の文字があった。 ふと気付くと、目的のカーブはきれいな陽のまわり。 予定通りの撮影開始(?)になったのである。 撮影お出かけ>迷う>落ちる>助けてもらう・・・・・なんか、自分の21世紀を予感させるような出来事だった。でも、帳尻だけは合うわけだから、よしとするか!? |
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